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2017年12月の記事

2017年12月19日

仲間、仲間じゃない を見守る

◼︎Aちゃんの心

どんぐり組(年少)のAちゃんは、Bくんと気があうようですが、Bくんは最近 きびしい経験をしています。

ある日、芝滑りしてるグループのところへ、AちゃんとBくんが来ると
グループ
「Aちゃん、こっちの仲間に入る?」
AちゃんBくん
「わーい」
グループ
「Bくんは、いれない」
スタッフ
「なんでだめなの?」
グループ
「だって、邪魔してくるもん!」
「やめてと言ってもやめてくれないから」
「いいと思うんだけど、みんながダメって言うから」
「Bくんはあっちで遊びなよ!」
大人は胸が痛むセリフ。

Aちゃんはその日おうちで
「仲間って言ってもらえて嬉しかった。つぎはBくんに仲間って言う」
と言ってたそう。
お母さん
「大人がこうしましょ!と言うのではなく、何か考えるきっかけをもらい、自分で何かを思ったり、誰かのことを思ったり、そんなふうに自分で考える力がついていくのだなあと感じた」

1週間後、同じ場所に来たAちゃん。
「Bくんにみんなあそこでダメって言うてた」と思い出したように口にする。
スタッフ
「Aちゃんはどう思ったん?」
Aちゃん
「Bくんを守ってあげたい」

.
Aちゃんはその日遊びの中で「泥棒ー!」と言われた時も、大きな声で反論。
「泥棒ちがうし!お友達やし!」
Aちゃんの心は揺れていた。

数日後も。
森へ入る前の広場で、落ち葉のお風呂を作る遊びが始まる。
とり組さんたち(年長さん)が仲間意識を持ち誰も入れてもらえない。
ちょうちょ組さん(年中さん)は入りたそうに見ているだけ。
しかし入りたいどんぐり組(年少)のCくんは行動に移していた。
ダメと言われながらも葉っぱを崩したり、ちょっかいをかける。
体を使い入りたい気持ちをアピールするが、それを怒るとり組(年長)さん達。
「Cくんは仲間じゃない!」

その言葉に反応したAちゃん。
「なんでCくんは仲間に入れてもらえないの?」ととり組(年長)さんに言いに行く姿があった。
答えられないとり組さんは散っていき、そこで遊びは終了となる。

.
こどもたちは待てばいずれ自分たちで気づきあうことができるのかもしれないと思わせてくれます。

小さなAちゃんの自ら感じた思いや疑問 その後の行動。
年下のAちゃんに言われる年長さんたちの心の揺れ。
小さなBくんは「ぼくも!」「なんでぼくはだめなの?」「わるいことしてないのに」「○○くんわるい!」と果敢に自分の言葉で反論しようとしている。大人のほうへ疑問をもってやってくることも。
「いっしょにあそびたい!!」を全身であらわして、うまくいったり、いかなかったり、うれしかったり、かなしかったりしている。その体験…

大人が「仲間はずれはやめて」と安易な言葉で干渉していたら、もしかしたらこれらの経験を奪っていたかもしれない。
でも道徳的にこらえられない時もある。ときどき気持ちの代弁、ときどき交通整理
現場スタッフは何度も何度も話して、保護者にも気持ちを確認しながら、その場でどうあるべきかを考えています。
大人が試されているような 感じがします。

森のようちえんの活動面がシンプルだからこそ、こどもたちの心の経験と向き合う時間が多くなっている気がします。

◼︎ある日のスタッフの報告

子どもたちの関係がぐっと縮まってきたのを感じています。
その分、仲間、仲間じゃない。
こんな言葉も遊びの中でよく飛び交っています。

気の合うお友だちができてくると
その反対を感じる力もできてきます。

表現がまっすぐな子どもたちを見ていると
『仲間ハズレ』をしているように感じる事や言葉がきつく感じる事も多く、大人は心がざわざわ、ジャッジしたくなる場面がいくつもでてきます。

イジメの芽なのではないかと、不安や恐怖を感じてしまうからでしょうか。

終わりの会で
『仲間って言われて嬉しかった』という声がありました。
そのお話しから、『仲間って言われたら嬉しいよね。じゃあ仲間じゃないって言われたらどんな気持ち?』とスタッフから子どもたちに投げかけがありました。

『悲しい』と声がありました。

『そうだね。悲しいよね。
仲間にしないって声が沢山聞こえてきて、ちょっと悲しく、寂しい気持ちになりました。』スタッフの言葉に

『ちょっとやだなぁ〜って思ってたよ』
気持ちがざわざわしたこと

『仲間になんでしないかってさっき言ったでしょ』
仲間に入れない理由。

言葉にしている子も俯いている子もいました。

会話の中でひとり1人どう感じていたのかは分かりませんが、何かを感じている様子だったので
『仲間じゃないっていう理由があったり、私(スタッフ)と同じ気持ちのお友だちもいるんだという事が分かりました。』
と締めくくられました。

.

私たちが子どもたちに伝えたい事は
『仲間外れにする事は悪いことだから
みんな仲良く一緒に遊びなさい』
という事ではありません。

イジメにつながる事はどの年齢でもでてきます。大人になっても顔を出します。

それは、誰かを嫌い、苦手とする事や排除しようとすることを悪と捉える限り顔を出すのではないかと思います。

香りや物、食べ物などに対して
好き、嫌い、得意、苦手があるように
人に対して、それがあっても当然だということ。それはダメな事ではないこと。
そして、それは移り変わっていくかもしれないこと。を子どもたちには忘れずにいてほしいと思います。

ひとり1人が
自分の気持ちを大切にした上で
どう、相手と付き合っていくか
どう、仲間づくりをしていくかを学んでいってほしいなぁと思っています。

嫌な事は嫌、悲しい事は悲しい
自分の気持ちを相手に伝える事ができる力

相手にも気持ちがあり、その気持ちを聞ける力

その上で、お互いが、みんなが心地よく過ごせる事を考え、創り出していく力

みんなの中にいる時に、自分の気持ちに折り合いをつけていく力

自分が心地よいと感じる人間関係をつくっていける力

自分というものがあり
自分とは違う色んな人がいることを知っていく力

対人関係での力の土台をつくっていく経験を
大人の目が届きやすいこの時期に
一緒に過ごすお友だちとの関係や遊びを通して沢山してほしいと思っています。

どの子どもに対しても、
どんな事をしても、どんな感情をもっても
私たちは貴方の味方であるスタンスを大切にしながら
大人の役割としてできることを
スタッフ内でより一層具体化し、子どもたちを見守っていけたらと思います。

色んな感情を感じ
喧嘩したりしながら
1人ひとりが、その困難をどう乗り越えるか
子どもたちがこれから、どんな仲間関係を築きあげていくのか楽しみです(o^^o)
.
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2017年12月12日

こどもの世界を垣間見た衝撃ー保護者懇談会

昨日の月曜日は、こども達を預けてのようちえん組 保護者懇談会でした。
スタッフと保護者が一堂に会して、日常の活動写真や動画をみながら、どんなことが起こっているのか、どんな見守りがされているのか説明を聞き「信じて見守る」ことについて意見交換などしました。

微笑ましいシーンもあれば
怪我ギリギリ?喧嘩か遊びか⁉︎
心ざわざわ、イジメの芽か⁉︎仲間はずれか⁉︎
これは止めたい、諭さなければ!
と普通なら大人が思うような場面もある。
でも、いしころえん現場スタッフはそこで安易に入りません。
ぐっとこらえて少し待ってみる。遠くから見守り続けてみる。すると

◼︎自然のもので、遊びをつくりだす力。
◼︎本物の命に触れている表情。
◼︎集中しているときのまなざし。
それだけじゃなく、

◼︎棒を持ち一対多数で喧嘩かと見えても、よく見れば傷つけないように攻撃の向きを加減していたり、自分でタイミングをみて和解の言葉を投げかける子もいた。

◼︎「合言葉を言わないと仲間にいれない」と言われたあの子は、はじめはしゃがみこんでいたけれど、周りの1人のお友達の救いの言葉で徐々にエンパワーメントされて、自ら立ち上がり「自分がされてイヤなことは人にはしたらあかんのやで!」と堂々と主張する姿をみせた。

◼︎少し変わったお気に入りの帽子を身につけてきたあの子は、その日みんなに逃げられてしまったけれど、
あとから 2人の男の子が土いじりをしながら 近くに寄り添い、冷静に、やってしまったことについて語り、慰め、最後の最後に「ごめんね」と伝えていた。

そんな姿もみることができました。
すべて少し離れたところから、大人の介入がなく進んだシーンでした。
まるでドキュメンタリー映画を何本もみてるようでした。

おとなが入って一言促したり、ジャッジしたり、不穏な流れを止めるのは簡単です。
だけれど、そうしたら こどもたちは喜怒哀楽 快 不快を感じきらないまま その出来事はぽかんと空中分解してしまう。
自分のタイミングで和解しようとすることも
自分の正直な気持ちを伝えたいという衝動が生まれる瞬間も 事前に奪われてしまう。たぶん そんなケースが一般的なのかもしれません

でもいしころえんでは、そこを邪魔せずにいることで、
そのままですでに完璧なこどもたちの輝き、物語が いくつも生まれている。
今回の懇談会はそんな気づきがいっぱいの時間で、保護者としても感謝や感動で涙も流れました。

信じて見守る

信じる
とは、このことなのか?
見守る加減の葛藤ばかりに苦しみますが、
信じる
の価値が解っていないと難しい。
そして、すぐに結果を求めてはいけないことをも思い出させられます。

幼児期のこどもたちはいま、喜怒哀楽 快 不快を目一杯感じて、自分に心があること、相手に心があることに気づくための 大切な1日1日をすごしているそうです。

通常なら大人が「仲良くしようね」と一言で理想に導こうとすることは、人が傷つくことから守ろうとする気持ちから来るものではあるけれど、
その一言と人間社会の現実には本当はギャップがあるし、
その一言でこどもたちから様々な体験、、むしろ一番大切な心の経験を奪っているのかもしれません。もしかして 奪ってばかりなのかもしれません。

大人の目の届きやすい今のうちに、まずはお友達同士で快も不快もたっぷり味わっておくことが、
最近の社会ではこどもたちから奪われがちなことであり、
でもいしころえんでは見守ってみたいことなのかもしれません。
森のようちえんが挑んでいることなのかもしれません。

イジメの芽⁉︎とついハラハラすることもあります。優しい心は育っているのか?と大人は不安になることも。でも、
幼児期から大人のジャッジが早々に入ってしまうことで、じゅうぶんに体で味わわないまま義務教育に入り ◯✖️二択で 頭にだけ入れこまれるから、
10代になってからや 大きくなってからの生きる力に影響してくるのかもしれません。

大人にできることは、
今ここの、さまざまな感情を感じきらせてあげることと
どんな感情や経験にも、寄り添うこと、抱きしめること (見守る)
すぐに結果を求めないこと (待つ)
あの頃どんなぼく私でも ◯してくれてたという記憶をきざんであげること(信じる)
なのかもしれません。

幼児期の彼らはいま、喜怒哀楽快不快とても大切な毎日をすごしています。
なのに、それらを取り除こうとする今日では なかったろうか?
日本のこどもたちがちゃんと「生きている」 毎日だろうか?
自分にも社会にも問いたいと思います。

そして、いしころえんという環境に出会えて良かったと思いました。
.
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(ようちえん保護者 兼 裏方スタッフ めぐみ)

2017年12月10日

超真剣 リース作り

先日、リース作りの日。
頼んでないのに全員整列&三角座りして作り方のお話を聞く姿!!どどどどーした
ルーティンの朝の会や帰りの会では、遊びたくて遊びたくてなかなか揃ってお話を聞いてもらえないのがスタッフの困りどころだったのに
子ども達は正直で、興味がそそられている話はおどろくほどしっかり聞く体制になるということが明確にわかったのでした。
久しぶりの制作だったからかな?

おいものつるを乾かして作った土台に、森の素材や魔除けの柊も入り素敵なリースがたくさんできました。

制作の後は、数日前に仕込んでいた、彼ら曰く「コンクリート」の様子を見に行く男子たち。発泡スチロールの箱に土と水を入れて固まるか実験しているようです。
結果は、、、固まってなかった!
「水を少ししか入れてなかったのに、今日の雨で水がいっぱいになったから固まらなかったんだ…」
そして、まだまだ諦めず再仕込み。
遊びの試行錯誤のなかに生き生きした学びが詰まっているね。

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